CBC Skate America放送より 小塚崇彦選手のSP解説

CBC Figure Skating: Skate America [00:31:50~]
http://www.cbc.ca/sports/figureskating/video/#id=2158444220&tab=1

解説者:
Kurt Browning, Lori Nichol, Brenda Irving

# CBC Skate America放送より 小塚崇彦選手のSP解説を意訳
# 訳ミス・聞き取りミスがあったらすみません…
# 11/5 Tracy Wilson と Brenda Irving を間違えていたので訂正しました。大変面目ないです…

Brenda Irving:
ここカリフォルニア、オンタリオの男子SPに、最終滑走者の登場です。彼はここ数年、最も多くの勲章を得てきた日本人スケーターの一人です。幾つか挙げて行きましょうか。この大会と同じSkate Americaで、2008年に一位を獲得、昨シーズンは両方のグランプリを制覇し、ファイナルでは3位に入りました。

そしてモスクワの世界選手権で銀メダルを獲得。この世界選手権が、彼を飛躍させるイベントとなりました。誤解しないでほしいのですが、先ほどお話したように、(モスクワワールドの前も)GPSやGPFのメダルは既に持っていました。ただ世界選手権や五輪のメダルはありませんでした。昨季の世界選手権が初となります。これは競技人生のマイルストーンとなる成果です。ですよね、カート。

Kurt Browning:
全くその通り!
選手達をよく知るスケートファンの皆さん、今年は彼の顔に注目です。いまはジャンプで忙しいですが、プログラムを通して、彼の成長を見てください。

さあクワドです。1,2,3,4…非常に典型から外れる入り方であり、タカらしくない結末でもあります。残念。

Lori Nichol:
でも、とても複雑なエントランスだったわよ。非常に難度が高く、4Tに必要なスピードを維持するのは困難なはずよ。ただ、彼なら世界選手権までに整えてくるでしょう。

Kurt Browning:
そうしなきゃいけないよね。

氷上面積をフルに使って、前後に織り込むような動き。これはまたボードすれすれの、興味深い配置でトリプルアクセル。結果はご覧の通り。

ある種のミスから持ち直すのは、非常に大変なものです。4回まわった後、足をあれだけよじらせた転倒をしたら、どうしても引きずってしまうでしょう。必要以上のアドレナリンが、悪さをしてしまう。

Lori & Kurt
ほお…(つなぎのポージングを見ながらため息)

Lori Nichol:
ハード、かつスイートね。

Kurt Browning:
確かにハード!彼のバランス感覚、自由自在なブレードさばきは驚異的だね。すごく難しいことも簡単に見せてしまう。

Lori Nichol:
それはフィギュアスケートの究極のジレンマね。簡単そうに見せたいけど、そうすると難度が高いことをやっているのに理解されない。

Kurt Browning:
ジャッジはスピンで8回転することを義務付けているので、我々がポジションを観察する時間も十分確保できるね。それはともかく、キャメルスピンでの苦戦は珍しい。彼のベストポジションではない。

(ステップを見ながら)彼が、かっ飛ばすのはここだ。

素晴らしい!エッジワークの曲線を利用し身体を転換させ、膝のバネを上下に活用し、僅かばかりの動作でスピードと流れを生み出す。これらは、他のスケーター達が夢にも見ないほどのものだ。

Lori Nichol:
このステップ・シーケンスは skaters’ skater(スケーター好みのスケーターorスケーターの中のスケータ)の良い例です。カートの話はそういう意味よね。Skaters’ skater…世界中のアスリートやコーチ達から、敬意を表される存在です。

Kurt Browning:
その通りだ。

Brenda Irving:
ショートプログラムを滑り終えた後、少し肩をすぼめています。現世界選手権、銀メダリストの彼にしては、らしくない失敗がありました。

Kurt Browning:
でも笑顔だ。彼はとても愛嬌のある性格だよ。日本では大・大・大スターなんだ。

Lori Nichol:
彼のモスクワでの銀メダル獲得は、真に素晴らしい瞬間だったわ。東京で予定されていた世界選手権は、地震と津波の悲劇により、ロシアでの移転開催に。そこで彼は4Tを決め、素晴らしい演技で日本に銀メダルを持ち帰りました。あちらにいらっしゃる、普段は冷静でノーブルな Mr. Nobu Sato がいつになく喜びを爆発させていたのは、とてもスイートな光景でした。あのシーンを、私は一生忘れないでしょう。

Brenda Irving:
このスケート・アメリカで良かった点の一つとして、彼の競技前のインタビューを初めて取ることができたのです。過去の大会では、コーチや日本スケート連盟の許可を得られませんでした。だから今回、彼のことをもう少し良く知ることができたかもしれません。

Kurt Browning:
彼は溌剌としていて、面白くて、素朴で…(リプレイのクワドを見ながら)さあクワドのテイクオフだ。これを見て分かる通り、身体がこんがらががっている。通常はリカバーが非常に大変な状態だ。エントランスも普通とはかなり異なるね。他のスケーターは助走の推進力をクワドのテイクオフに利用するけど、タカはいったん完全に静止し、推進力がほぼゼロの状態から4回転まわり始めている。彼の試合でのクワド成功率は知らないけど、僕だったら修正したいな。

Lori Nichol:
そうすべきかもしれないわね。まだシーズンに入ったばかりで言うのは難しいけど、この失敗は高くつくわ。回転不足と転倒の両方を取られるので、11点の価値が 4点か 5点になってしまう。

Kurt Browning:
そうだね、もっと引かれる。

Brenda Irving:
ここで改めて振り返りますが、タカヒコは男子SPの最終滑走者です。トップの選手は79.少々のスコアを持つミカル・ブレジナです。

Kurt Browning:
まぁこれだけのアスリートがいつもの滑りをすれば、普通に射程範囲内だが、今日は違う。今日のSPを挽回できるよう、フリーで頑張らなければ。

Brenda Irving:
この後のフリーでダメージを深めないよう考えなければならない?

Lori Nichol:
というより、今日を生きるか、明日へ投資するかのバランスの問題よ。彼はクワドを入れたショートプログラムに馴れなければならないし、フリーのクワドは昨シーズンのワールドで既に降りている。だから前もって挑戦することが必要で…確かにここも重要だけど、既に世界選手権の銀メダリストである彼にとって、大きくキャリアに影響するほどでもないわ。

Kurt Browning:
クールな意見だね。

そして僕が思うに、彼にとって最も難しいのは…彼に会うたびこう言うんだ。足に良い筋肉がついているのだから、チークの筋肉も使えよ。顔を使え、目覚めさせろってね。今日のプログラムは、力の入った振付を通して彼の個性が表れていた。拍手を送るよ。

Lori Nichol:
彼はとてもアドーラブルな笑顔を持っているわ。カートの言う通り、もっとそれを活用すべきね。

09:39 am, by lyrico 3
Notes
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